成績証明書の有効期限について知りたいですか?
就職活動や転職、進学、資格試験など、人生の節目で必要になる成績証明書。
「昔取得した成績証明書はまだ使えるの?」「発行から何ヶ月以内のものが必要?」「高校の成績証明書はいつまで発行できるの?」など、様々な疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
成績証明書の有効期限と取得方法について、以下の点を詳しく解説します。
- 成績証明書自体に法的な有効期限はあるのか
- 就活・転職・進学など提出先別の推奨期限
- 指導要録の保存期間と高校卒業後の発行可能期間
- 成績証明書の取得方法と手数料
- 提出時の封筒の扱い方と厳封の必要性
- 提出期限に間に合わない場合の対処法
この記事を読めば、成績証明書についての疑問が解消され、適切な時期に適切な方法で取得・提出できるようになります。
成績証明書の有効期限は「原則としてない」
結論から言うと、成績証明書自体には法的に定められた有効期限はありません。
一度取得した成績や単位は、その事実自体が変わることはないためです。
ただし、以下のような制約や注意点があります。
- 提出先の要件:企業や学校などの提出先から「発行から3ヶ月以内のもの」などの条件が設けられていることが一般的です。
- 保存期間の制限:高校などでは指導要録(成績の元データ)の保存期間が法令で定められており、卒業後5年経過すると成績証明書の発行ができなくなる場合があります。
- 見た目の問題:長期間経過した証明書は紙の劣化や見た目の問題から、マナーとして新しいものを取得するのが望ましいとされています。
つまり、法的な有効期限はなくても、実質的には「新しいもの」が求められるケースが多いのです。
提出先別の成績証明書の推奨有効期限
提出先によって、成績証明書の取り扱いや望ましい発行時期が異なります。
ここでは主な提出先別の推奨期限を解説します。
就職活動(新卒)
- 推奨期限:発行から3ヶ月以内
- 提出タイミング:「最終面接の前後」または「内定承諾時」が一般的
- 特記事項:最新の成績(大学4年生前期まで)が記載されているものが望ましい
就職活動では、提出間近の成績が記載された成績証明書を提出するのが一般的です。
企業は成績証明書を通じて、学生の学習態度や専門分野での能力を確認します。
転職活動
- 推奨期限:発行から3ヶ月以内
- 提出の頻度:新卒と比べて求められる頻度は低い
- 特記事項:経歴詐称防止や適性確認のために使用される
転職時には必ずしも成績証明書が求められるわけではありませんが、「卒業証明書とともに、成績証明書の提出を求める企業もあります」。
特に第二新卒や専門性の高い職種への転職では提出を求められることがあります。
進学(大学・大学院等)
- 推奨期限:発行から3〜6ヶ月以内(大学によって異なる)
- 特記事項:出願要項で指定された期間内のものを用意する必要あり
大学や大学院への進学では、出願書類として成績証明書の提出が必須となります。
大学側から「発行から○ヶ月以内」という条件が明示されていることが多いため、必ず出願要項を確認しましょう。
資格試験
- 推奨期限:試験によって異なる(指定がない場合もある)
- 特記事項:資格によっては特定の単位取得が要件となっているものもある
資格試験の場合、成績証明書の発行日に関する厳密な指定がない場合もあります。
社会保険労務士試験では「証明日が古い証明書も使用できる」とされていますが、証明印などが不鮮明な場合は書類不備となる可能性があるため注意が必要です。
高校の成績証明書の保存期間と発行可能期間
高校の成績証明書は、指導要録の保存期間に関する法令の規定により、発行できる期間に制限があります。
指導要録の法定保存期間
学校教育法施行規則の規定により、指導要録の保存期間は以下のように定められています。
- 学籍に関する記録:卒業後20年間
- 指導に関する記録(成績を含む):卒業後5年間
このため、「成績証明書および調査書については卒業後5年間のみ発行可能(平成6年以降の入学生の方)」となっている高校が多くあります。
卒業後の経過年数と発行可能性
卒業後の経過年数 | 発行可能な証明書 |
---|---|
5年未満 | 卒業証明書・成績証明書・調査書 |
5年〜20年 | 卒業証明書のみ(成績証明書は発行不可) |
20年以上 | すべての証明書が発行不可 |
ただし、高校によっては「保存期間経過のため発行できない旨を示した証明書」を発行してくれる場合もあります。
詳細は卒業した高校に問い合わせることをおすすめします。
成績証明書の有効期限に関するQ&A
Q1: 数ヶ月前に発行した成績証明書は就活で使えますか?
A: 基本的には3ヶ月以内に発行されたものが望ましいとされていますが、企業によって基準は異なります。
提出先の要件を確認することが大切です。
古い証明書しかない場合は、面接官に事情を説明するとよいでしょう。
Q2: 成績証明書はコピーでも提出できますか?
A: 原則として原本での提出が求められます。
企業に成績証明書を提出するときは、原本を送付します。
コピーは書類の改ざんを疑われる可能性があり、誠実さに欠けてしまう可能性があるためです。
Q3: 卒業した学校が廃校になっている場合、成績証明書はどうすればよいですか?
A: 公立学校の場合は管轄の教育委員会に、私立学校の場合は運営していた学校法人に問い合わせることで対応してもらえる可能性があります。
統合されている場合は統合先の学校が引き継いでいることが多いです。
Q4: 成績証明書の厳封とは何ですか?必要ですか?
A: 厳封とは、学校が発行した証明書を封筒に入れて封をし、その封に学校の印を押すことで、開封されていないことを証明する方法です。
企業によっては厳封された状態での提出を求める場合があります。
Q5: 成績証明書の発行に時間がかかり、提出期限に間に合わない場合はどうすればよいですか?
A: 間に合わないとわかった早い段階で企業の採用担当者に相談し、いつまでに提出できるかを伝えることが重要です。
電話やメールで状況を説明し、発行でき次第提出する旨を伝えましょう。
Q6: 大学院を修了しましたが、大学の成績証明書も必要ですか?
A: 求められる証明書は応募先によって異なります。
大学と大学院の両方の成績証明書を求められる場合もあれば、最終学歴のみでよい場合もあります。
募集要項や企業の指示に従ってください。
成績証明書の取得方法と提出時の注意点
成績証明書の取得方法
成績証明書の発行方法は学校によって異なりますが、一般的な取得方法は以下の通りです。
- 窓口での直接申請
- 学校の事務局や証明書発行窓口に直接行く
- 必要書類(申請書・身分証明書など)と手数料を準備
- 即日〜数日で発行される場合が多い
- 自動発行機での申請
- 大学などに設置されている証明書自動発行機を利用
- 学生証やICカードで認証
- 手数料を支払って即時発行
- オンラインでの申請
- 学校のウェブサイトや専用システムから申請
- クレジットカード等で手数料を支払う
- 郵送で受け取る(1週間程度かかる場合も)
- 郵送での申請
- 学校に必要書類と手数料を郵送
- 返信用封筒を同封
- 1〜2週間程度で発行される場合が多い
手数料と発行期間
成績証明書の発行には手数料がかかります。
- 一般的な手数料:200〜1,000円程度/通
- 英文証明書:和文より高額(500〜2,000円程度/通)
- 発行期間:即日〜2週間程度(学校や申請方法による)
提出時の注意点
- 原本を提出する
- コピーではなく必ず原本を提出
- 重要な提出先には予備の原本を確保しておくとよい
- 厳封について
- 提出先から厳封指示がある場合は必ず守る
- 厳封を開封してしまった場合は再取得が必要
- 封筒の記載方法
- 封筒の表面に「成績証明書在中」と朱書き
- 宛名は企業の人事部など指定された宛先を正確に記載
- 差出人の情報も忘れずに記載
- 提出期限を守る
- 余裕をもって取得手続きを行う
- 発行に時間がかかることを想定して計画する
成績証明書の有効期限まとめ
成績証明書の有効期限について押さえておくべきポイントは以下の通りです。
- 成績証明書自体には法的な有効期限は設定されていない
- 一般的には発行から3ヶ月以内のものが望ましいとされている
- 高校の成績証明書は卒業後5年間のみ発行可能な場合が多い
- 提出先の要件(発行から○ヶ月以内など)を必ず確認する
- 厳封が求められる場合は開封せずに提出する
- 発行に時間がかかることがあるため、余裕をもって申請する
- 提出期限に間に合わない場合は早めに提出先に相談する
成績証明書は、自分の学業成績を証明する重要な書類です。
用途や提出先に応じて、適切なタイミングで取得し、正しい方法で提出することが大切です。
なお、学校の規定や提出先の要件は変更される可能性がありますので、最新情報は各学校や提出先に直接お問い合わせください。
【参考情報】
- 文部科学省:学校教育法施行規則
- 日本学生支援機構:証明書類の提出について