私たちの生活の中で頻繁に触れる「古刹」という用語について考えてみましょう。
この言葉に含まれる漢字「刹」は、日常ではあまり目にすることがないため、その正確な読み方について疑問を持つ人が少なくありません。
この記事では、「古刹」の読み方「こさつ」と「こせつ」のどちらが正しいか、意味と由来についてもご案内いたします。
「古刹」の読み方—「こさつ」か「こせつ」か
「古刹」の発音について、「こさつ」と「こせつ」のどちらが正しいかを検討します。
「古刹」を正しく発音すると、「こさつ」となります。
漢字「刹」は「さつ」「せつ」と読むことが可能ですが、「古刹」は「こさつ」と読むのが一般的で、「こせつ」という読み方は誤りです。
他にも、「古」を冠する言葉には「古豪(こごう)」「古典(こてん)」「古紙(こし)」「古墳(こふん)」などがありますし、「刹」を用いる言葉には「巨刹(きょさつ)」「仏刹(ぶっさつ)」「禅刹(ぜんさつ)」「名刹(めいさつ)」などが存在します。
「古刹」の意味とその類語
次に、「古刹」の意味及びその類語について説明します。
「古刹」とは、歴史ある古い寺院を指す言葉です。
例文としては、「友人と古刹を訪問する」「古刹の巡礼を行う」といった表現があります。
古刹の類語には、「禅寺(ぜんでら)」「寺院(じいん)」「巨刹(きょさつ)」「名刹(めいさつ)」などがあり、これらはすべて古刹に似た意味を持つものの、完全に同じというわけではありません。
「古刹」の由来
「名刹・古刹」と聞くと、歴史ある有名な寺院のことを指す言葉として知られています。
しかし、「刹」この字がなぜ寺院を示すのか、その理由は何でしょうか?
「刹」には、主に二つの由来が存在します。
一つ目は、サンスクリット語の「ksetra」から来ており、「刹多羅」や「差多羅」とも書かれ、土地や国土などの意味で使われています。
さらに、この言葉は神聖な地や仏教が説かれる場所、すなわち仏国土を指す言葉としても用いられるようになりました。
二つ目の由来は、サンスクリット語の「yasti」に由来し、柱や竿という意味があります。
古代インドやその周辺地域では、寺院の前に柱や竿を立て、その先には宝珠や火焔を模した目印を設けて寺院を示したり、僧侶が何か重要な教えを得た際には、柱の先に旗を掲げて遠方の人々に知らせる習慣がありました。
これらの風習から、「刹」という字が次第に寺院そのものを意味するようになったのです。
まとめ
以上をまとめると、
- 「古刹」の適切な発音は「こさつ」であり、「こせつ」は誤り。
- 「古刹」は歴史ある寺院を意味する。
- 「古刹」の類語には「禅寺」「寺院」「巨刹」「名刹」などが存在する。
- 「古刹」の由来は、サンスクリット語で土地を意味する「ksetra」と、寺院の標識に用いられた柱を意味する「yasti」の2語から派生し、これが寺院を示す用語として定着した。