様々な物の数え方が存在しますが、特に箪笥(たんす/タンス)の数え方は独特です。
この記事では箪笥(たんす/タンス)の正確な数え方や箪笥(たんす/タンス)の語源、そして箪笥(たんす/タンス)以外の特殊な数え方をする物についても触れます。
これらの情報は、子どもたちの質問に答えたり、お酒の席での話題に役立つでしょう。
箪笥(たんす/タンス)の数え方の単位は「棹(さお)」?
まずは、箪笥(たんす/タンス)の数え方から始めましょう。
かつては「一棹」「二棹」という表現を用いていましたが、現代ではこの表現はあまり使われていません。
しかし、伝統的には「棹」という単位が使われていたのです。
この独特な単位がなぜ使われるようになったのか、その背景を見てみましょう。
箪笥(たんす/タンス)の数え方の単位「棹(さお)」が使われるようになった理由
箪笥(たんす/タンス)が「棹」と数えられるようになったのは、昔、衣類や寝具を収納する「長持」という木箱が存在していたためです。
江戸時代初期には、火事の際にこれを迅速に運べるように車輪が付けられた「車長持」が主流でした。
しかし、江戸での大火災時にこれらの車長持が避難路を塞ぐ原因となり、被害を拡大させたため、製造が中止されました。
この時期に、棹を通して運べる新しいタイプの長持が登場しました。
この方式は後に普及する箪笥(たんす/タンス)にも採用され、その結果、箪笥(たんす/タンス)は棹を通して運ばれるようになったため、「一棹」「二棹」という数え方が生まれたのです。
棹以外の箪笥(たんす/タンス)の数え方
箪笥(たんす/タンス)を数えるとき、「棹」以外にもいくつかの単位が使われます。
これらの数え方についても見ていきましょう。
箪笥の数え方「台」
「台」という単位は、もともとは機械や車両を数える際に用いられることが多いですが、ベッドや棚などの家具にも使用されます。
箪笥(たんす/タンス)に関しても、どんな種類やシーンでも使えるため、よく用いられる数え方の一つです。
箪笥の数え方「点」
「点」は商品などを数える際によく使われる単位です。
家具店で箪笥(たんす/タンス)を数えるときに「一点」「二点」といった表現を耳にすることがあるでしょう。
箪笥(たんす/タンス)の数え方「組」
「組」という単位は、ペアやセットで存在するものを数える際に使用されます。
和箪笥が複数のパーツで構成されている場合など、セットの箪笥(たんす/タンス)を数えるときには「組」が使われることがあります。
箪笥(たんす/タンス)の数え方「重」
重ねて使う箪笥(たんす/タンス)の場合、その数え方には「重(かさね)」という単位が使われることがあります。
箪笥(たんす/タンス)の数え方「本」
棹を「一本」「二本」と数えることから、箪笥(たんす/タンス)を「一本」「二本」と数えることもあります。
箪笥(たんす/タンス)の定義、歴史、語源について
箪笥(たんす/タンス)は日本の家庭にとって馴染み深い家具ですが、その歴史や語源について詳しく知っていますか?
ここで簡単に説明します。
箪笥(たんす/タンス)の定義
箪笥(たんす/タンス)とは、衣類や小物などを収納・保管するための家具です。
一般的な箪笥(たんす/タンス)は木製で、引き出しや棚がついています。
クスノキやサクラ、コクタンなど様々な木材が使われますが、特に高品質なものには防湿性や防虫性に優れたキリ材が用いられます。
箪笥(たんす/タンス)の種類
日本では古くから和箪笥が使われてきましたが、洋箪笥や茶箪笥、旅箪笥(利休箪笥)、刀箪笥など、様々な種類があります。
箪笥(たんす/タンス)の歴史と語源
箪笥(たんす/タンス)の起源は江戸時代初期にさかのぼります。
当時は主に上流階級が使用しており、一般の人々は「おひつ」や「つづら」を用いていました。
箪笥(たんす/タンス)が広く普及したのは、江戸時代末期からです。
箪笥(たんす/タンス)は漢字で「箪笥」と書かれ、「箪」は丸い飯びつ、「笥」は四角い箱を意味します。
安土桃山時代には「担子」という漢字が使われていたが、これが大型化し、その結果、箪笥(たんす/タンス)という文字に変わったとされています。
箪笥(たんす/タンス)以外の特殊な数え方について
箪笥(たんす/タンス)だけでなく、他にも独特な数え方をするものがあります。
これらは日常生活で見過ごされがちですが、知っていると面白い知識になりますよ。
うさぎの数え方の単位
通常、動物は「匹」や「頭」で数えますが、うさぎは例外的に「羽」で数えられます。
これには様々な由来があると言われています。
一つの説によると、お坊さんが食べる際に鳥として扱うため、または長い耳が鳥の羽のように見えるためだと言われています。
ようかんの数え方の単位
ようかんは、箪笥(たんす/タンス)と同様に「棹」で数えます。
これはようかんを固める型が船に似ていることが由来で、「船棹(ふなざお)」という言葉から来ています。
本棚の数え方の単位
本棚を数える単位にはいくつかありますが、「架(か)」がその一つです。
「書架」という言葉の影響でこの数え方が使われるようになりました。
また、「台」や「本」といった単位も用いられます。
テントの数え方の単位
テントの数え方には、「張(ちょう)」や「張り(はり)」があります。
これは蚊帳や和傘、幕などにも適用される数え方です。
日本では数える際に使う単位に「個」「台」「本」「組」「匹」といった様々なものがありますが、その中には箪笥の「棹」のように限定的に使われるものも多く存在します。
こうした豊富で複雑な数える際に使う単位は、世界的に見ても珍しい特徴と言えるでしょう。
まとめ
昔の箪笥(たんす/タンス)は棹を通して運ばれていたため、「一棹」「二棹」と数えられるようになりました。
現代ではあまり使われなくなったこの数え方は、知らない人も多いかもしれませんね。