サバ缶は一般的に健康的で栄養価が高く、適量であれば毎日食べても健康に問題はありません。
今回は、サバ缶の1日の摂取量、サバ缶を食べる際の注意点について詳しく説明します。
サバ缶は200g程度であれば毎日食べても大丈夫
サバ缶は栄養価が高いので、毎日食べることで健康上のメリットがあります。
しかし、食べ過ぎは禁物なので、毎日食べたいのであれば、200㌘程度の摂取にとどめておいたほうが無難です。
というのも、健康に良いとされるサバ缶も、食べ過ぎてしまうと健康に悪影響を及ぼす可能性があるとか。
具体的に、サバ缶を食べるのなら知っておきたい注意点をここから紹介します。
サバ缶を食べるのなら知っておきたい注意点
大人気のツナ缶を抑えて、トップになったと言われるサバ缶ですが、毎日ガッツリ食べてしまうとデメリットがあります。
具体的にみていきましょう。
サバ缶には水銀が含まれている可能性がある?
サバ缶には水銀が含まれている場合があり、過剰に摂取することで健康に悪影響を与える可能性があるという話もあります。
しかし、実際のところは、サバ缶に含まれる水銀は、生のサバよりも低いことが知られており、適量の摂取であれば、健康上の問題はないとされています。
2012年の北海道立衛生研究所の「水産加工食品中の総水銀・メチル水銀に関する実態調査」からもデータとして証明されています。
もし水銀の含有率が気になる場合は、サバ缶を購入する際に、水銀が含まれていないことを確認するために、製品のラベルを確認することも重要です。
といっても、いちいち製品ラベルのチェックも面倒…というのなら、せいぜい食べてもサバ缶は1日1缶までとしましょう。
さらに、栄養バランスを考えると、イワシの缶詰など他の種類と交互に食べることが望ましいでしょう。
サバ缶はカロリーが高い
サバ缶も種類によっては、かなりの高カロリーなんです。
スーパーで手頃に購入できるような一般的なサバ缶1缶のカロリーは、約300キロカロリーです。
水煮よりも味噌煮の方が断然カロリーが高くなっているので、購入する際には注意が必要です。
もしダイエット目的でサバ缶を食べようとするのなら、サバ缶の食べ過ぎは要注意です。
EPA・DHAの摂り過ぎによる副作用
サバ缶が健康にいいとされる理由は、オメガ3脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)と、EPA(イコサペンタエン酸)という栄養素が豊富に含まれているからです。
オメガ3脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)は、神経の情報伝達をスムーズにし、記憶力の向上や認知症の予防に効果に期待がもてると言われています。
また、EPA(イコサペンタエン酸)には中性脂肪や動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを減らす働きがあると言われ、結果的に心筋梗塞や脳梗塞などの予防につながるとされています。
しかし、オメガ3脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)と、EPA(イコサペンタエン酸)の過剰摂取により、吐き気、下痢、出血が止まりにくくなるといった症状が現れることがあるともいわれています。
厚生労働省の発表によると、DHA・EPAの1日の推奨量は合わせて1.600mg~2.400mgと言われていて、3.000mg以上摂取すると上記で示した、副作用が現れる可能性があるので注意が必要です。
塩分が多い
一般的に、缶詰は保存食なので、塩分が含まれています。
一般的なサバの水煮缶には約2㌘の塩分が含まれていますが、味噌煮缶ともなるとさらに多くの塩分が入っていることが想像できます。
日本人の大人が1日に摂取する塩分量を7.5㌘とすると、サバ缶1缶で、1日の3分の1近くの塩分を摂取することになってしまいます。
他の食べ物の塩分量を制限しない限り、結果的に塩分を取り過ぎてしまいます。
もし塩分を気にするのなら、塩分不使用のサバ缶もありますので、そういったサバ缶を食べるのも方法です。
添加物や保存料が含まれている場合がある
さらに、加工食品であるサバ缶には、添加物や保存料が含まれている場合があります。
可能であれば、添加物や保存料が含まれていない製品を選ぶようにしましょう。
鯖缶の添加物が気になる方は、サバの水煮缶がいいでしょう。
さばの味噌煮缶は、味を良くするための添加物が含まれていることがあります。
特に、「水煮」ではなく「味噌煮」のタイプでは、添加物の使用が一般的です。
例えば、あるサバの味噌煮缶では、原材料としてさばやみそに加え、砂糖やコーンスターチ、そして「調味料(アミノ酸等)」や「増粘多糖類」が含まれていると表示されているものが多いです。
これらの調味料は食品にうま味を加えますが、過剰に摂取すると不快な症状を引き起こすことがあります。
ただし、サバの味噌煮缶を1缶食べる程度では心配無用です。
問題なのは、日頃から加工食品を頻繁に摂取している人です。
頻繁な添加物の摂取は、味覚の変化を招き、結果として不健康な食生活へとつながる可能性があります。
これにより、肥満や生活習慣病のリスクが高まることが懸念されます。
したがって、生活習慣病を予防するためには、可能な限り添加物を避けた「味噌煮缶」や「水煮」を選択することをお勧めします。この
ように選ぶことで、より健康的な食生活を支援することができます。
プリン体が多い?
プリン体というと、風が吹いただけでも足が痛い…そう、通風です。
実際には、さばに含まれるプリン体の量は一般に思われがちなほど極端に多いわけではありません。
公益財団法人 痛風 尿酸財団の「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」による痛風や高尿酸血症に関する治療指針では、100g当たりにプリン体が200mgを超える食品を「高プリン体食品」と分類しています。
この基準によれば、プリン体が豊富とされる食品にはレバーやいわし、あんこう、にぼし、かつお、まぐろの干物、さんまの干物などが挙げられます。
このように、さば自体がプリン体が非常に多いわけではなく、プリン体を多く含む食品群に含まれる他の食品と比較しても、必ずしも最も高いわけではありません。
したがって、さばを適量で楽しむことは、プリン体摂取量に過度に心配する必要がないことを意味します。
しかし、サバ缶の水煮汁には、痛風の原因となるプリン体が大量に含まれています。
プリン体の摂取量を気にされる場合は、サバ缶をビールのお供にするという日々の習慣は避けた方が無難でしょう。
セレンの摂り過ぎによる副作用
サバには抗酸化作用により、老化を防ぐ効能や、免疫力を高めてくれる「セレン」という栄養素が含まれています。
しかし、この「セレン」、ガン予防にも効果が期待できる一方で、取り過ぎてしまうと、副作用も起こる可能性があるとか。
具体的な副作用は「爪の変形」「脱毛」「疲労感」「焦燥感」、下痢や嘔吐といった「胃腸障害」です。
さらにひどくなると「神経障害」「心筋梗塞」「賢不全」「末梢神経障害」といった症状が出る可能性もあります。
もし毎日サバ缶を食べていて、上記のようなセレンの摂り過ぎによる副作用の症状を感じているのなら、食べる量を減らしましょう。
例えば、毎食1缶、つまり1日3缶となるとさすがに多すぎなので、食べても1日1缶程度にとどめておきましょう。
缶の裏側にはサビの防止剤がコーティングされている
サバ缶の裏側には、缶のサビ防止のために「ビスフェノールA」がコーティングされています。
この「ビスフェノールA」は、極めて低い濃度であっても、動物の胎児に対して神経の発達等に影響を示すという報告が一部の研究者から出されています。
サバ缶を開けた瞬間から酸化が始まり、「ビスフェノールA」が汁の中に溶け出すので、サバ缶の汁を飲むのは危ないという意見もあります。
一方で、サバ缶は汁ごと食べるのが健康的だと言う専門家の意見もあります。
このあたりは個々の判断でいいかと思います。
サバ缶は毎日食べても大丈夫?1日の摂取量や注意点のまとめ
サバ缶は、タンパク質、オメガ3系脂肪酸、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれており、健康維持に役立つ食品です。
心臓病の予防や骨の健康維持、炎症の抑制、眼の健康維持などに有効であることが知られています。
また、サバ缶を毎日食べることで健康に良い影響があるとしても、食事バランスを考慮することも重要です。
食事は多様性が大切であり、サバ缶以外の食品からも必要な栄養素を摂取するようにしましょう。
最後に、アレルギーに注意することも重要です。
サバ缶には、アレルギーを引き起こす可能性がある成分が含まれているため、アレルギーのある方は注意が必要です。
また、魚介類アレルギーのある方は、サバ缶を避けることをお勧めします。