日々の生活の中で、さまざまなものの数え方に興味を持つことがあります。
特に、音楽に親しむ人々にとって、「バイオリンやチェロ、ビオラ、コントラバスなどの弦楽器をどのように数え、どのように読むか」は、よく知られているようで実はあまり知られていない知識かもしれません。
本稿では、バイオリンを始めとする弦楽器の数え方に焦点を当て、「バイオリンは本数で数えるのか、それとも弓の数で数えるのか?
また、チェロやビオラ、コントラバスといった他の弦楽器はどのように数えるのか?」という点について解説します。
バイオリンはどう数える?「本」、「弓」、それとも他の単位で?
バイオリンの数え方に関して、特定の単位に厳密な規定はありませんが、「挺(ちょう)」「丁(ちょう)」「本」「個」または「つ」という表現が一般的に用いられます。
特に、バイオリンを演奏する際に不可欠な弓に焦点を当てた場合、「挺」という単位が頻繁に使用されます。
このことから、バイオリンを演奏する上で弓が重要な役割を担っていることが伺えます。
「挺」と発音が同じである「丁」も、バイオリンやその弓を数える際に使われることがあります。
オーケストラなどの集団演奏では、バイオリンの数を「本」として数えることが多いです。
口語表現では、「個」や「つ」といったより一般的な数え方をする人もいますので、これらの表現でも問題ありません。
バイオリンの雑学
少しバイオリンに関する雑学を紹介していきます。
バイオリンとヴァイオリンの違い、どっちが正しいの?
バイオリンとその別表記であるヴァイオリンの主な違いは、発音にあります。
両者は同一の楽器を指しており、どちらの表記も正確です。
英語での「Violin」を正しく発音すると、「ヴァイオリン」となります。
しかし、1954年にはV音の「ヴァ」の音を「バ」と表記することが国語審議会によって推奨され、それにより「バイオリン」という表記が普及しました。
とはいえ、1991年には「ヴ」の表記が再度認められたため、現代の日本語では「バイオリン」と「ヴァイオリン」のどちらの表記も受け入れられています。
日本人にとって「ヴァ」の発音はやや難しく、発音しやすい「バイオリン」とする人が多いです。
また、インターネット検索では「バイオリン」での検索結果が「ヴァイオリン」よりも多く見られます。
バイオリンの公式名とその略称
バイオリンの公式な名称は「violino(ヴィオリーノ)」といいます。
この名前はバイオリンが誕生した国、イタリアに由来しています。「ヴィオリーノ」は、「viola(ヴィオラ)」に「小さい」という意味を持つ接尾語「~ino」が付けられたもので、「小さなヴィオラ」という意味合いを持ちます。
その後、「ヴィオリーノ」は英語の「Violin(ヴァイオリン)」へと変化しました。
日本では、この楽器を「バイオリン」または「ヴァイオリン」として知るようになりました。
バイオリンの略称としては、「Vn」が一般的ですが、「Vi」、「Vin」、「Vl」といった表記も見られます。
バイオリンの国際的な呼称
日本で一般的に「バイオリン」または「ヴァイオリン」と呼ばれる楽器ですが、世界各国ではどのように呼ばれているのでしょうか?
英語や中国語を含む様々な言語でのバイオリンの呼び名を紹介します。
- 英語では「Violin(ヴァイオリン)」
- 中国語では「小提琴(シャオティーチン)」
- スペイン語では「Violín(ヴィオリーン)」
- ヒンディー語では「बियोलिन(ヴィヨリナ)」
- フランス語では「violon(ヴィオロン)」
- インドネシア語では「biola(ビオラ)」
- ポルトガル語では「violino(ヴィオリーノ)」
- 韓国語では「바이올린(バイオッリン)」
- アラビア語では「كمان(カマーン)」
- イタリア語では「violino(ヴィオリーノ)」
これらの言語での表記と読み方を見ると、バイオリンは各国で異なる発音や表記がされていることがわかります。
特にイタリア語とポルトガル語では似た「ヴィオリーノ」という表記が用いられますが、英語やスペイン語、日本語、韓国語でも似た発音が見られます。
一方で、アラビア語や中国語では全く異なる表記となり、その国独自の呼び方が存在します。
以上、世界10カ国の言語でのバイオリンの呼称を紹介しました。
国によって呼び名が異なることから、バイオリンは世界中で愛され、様々な文化に根付いている楽器であることが伺えます。
バイオリンの日本での和名表記
バイオリンの日本語での和名漢字表記は「提琴(ていきん)」とされています。
「提」の字には持ち運ぶ、手で持つという意味があり、「琴」は日本の古来からある楽器を指します。
したがって、「提琴」という言葉は、手で持って演奏する楽器、すなわち琴を意味していると解釈できます。
この表現は、バイオリンだけでなく、胡弓などの弦を持つ楽器全般に用いられることもあります。
チェロとコントラバスの数え方と単位、読み方も
バイオリンに関連する弦楽器であり、サイズがより大きいチェロやコントラバスについても、その数え方を詳しく見ていきましょう。
結論として、チェロやコントラバスを数える際にも、バイオリンと同様に「挺(ちょう)」「丁(ちょう)」などの単位を用います。
この理由は、弦楽器全般において「弓」の数を特に考慮するためです。
さらに、チェロやコントラバスのような大型弦楽器に関しては、それらが演奏される際には台に置かれることから、「台」という単位で数えることも一般的です。
チェロやコントラバスは、バイオリンと比べて深く豊かな音色を持っており、その魅力の一つとなっています。
これらのポイントを押さえておくと、弦楽器の数え方に関する知識がより豊かになります。
ヴィオラを数える際の単位とその読み方
次に、弦楽器ファミリーにおけるヴィオラに焦点を当て、その数え方の単位について考察します。
バイオリンやチェロと同じく、ヴィオラも弓が演奏の中心となるため、ヴィオラを数える際には「挺(ちょう)」「丁(ちょう)」「本」「個」または「つ」という単位を用いることが一般的です。
ヴィオラは、チェロやコントラバスと異なり、主に手で持って演奏される楽器であるため、「台」という単位は適用されません。
この点が、他の大型弦楽器とは異なる特徴として挙げられます。
まとめ:弦楽器の数え方と読み方の概要
この記事では、バイオリン、チェロ、ビオラ、コントラバスなどの弦楽器を数える際の単位とその読み方について紹介しました。
弦楽器を数える際には、主に弓を中心に考えることが一般的です。
この基本的な理解を持つことで、弦楽器の数え方に関する知識が深まります。