日本における電話番号には、その先頭3桁によって様々な種類が存在し、それぞれ異なる用途に割り当てられています。
特に、「070」「050」から始まる番号の着信が増えていることに対し、多くの人が疑問を感じることがあるようです。
ここでは、これらの電話番号の違いとその背景について解説します。
「070」「080」の違い
「070」「080」で始まる電話番号の違いについて解説していきます。
「090」「080」「070」の携帯電話番号
最も一般的に使われている携帯電話の番号は「090」「080」として知られていますが、最近では「070」も携帯電話(ガラケーおよびスマートフォン)の番号として割り当てられるようになりました。
これは、新規の電話契約時に「070」で始まる番号を割り当てられるケースが増えているためです。
この変更は、利用者の増加に伴い、既存の「090」「080」の番号だけでは足りなくなったことに対応するための措置の一つと言えます。
「050」のIP電話番号
一方で、「050」から始まる番号は、IP電話サービスに割り当てられています。
IP電話は、インターネットプロトコルを利用した電話サービスで、従来の電話線を使用しないため、固定電話と比較して低コストで提供されることが多いのが特徴です。
「020」のデータ専用SIM番号
さらに、「020」で始まる番号は、データ専用SIMカードに割り当てられています。
これは、音声通話機能を持たないデータ通信専用のサービスに利用される番号で、タブレットや一部のスマートデバイスで使用されることがあります。
これらの番号は、それぞれが特定の用途やサービスに合わせて割り当てられているため、着信があった際にはその番号の特性を理解して対応することが重要です。
特に、「070」「050」からの着信が増えている現状では、これらが迷惑電話でないことを知ることも大切です。
電話番号の歴史と特徴
日本の電話番号制度は、携帯電話、IP電話、データ通信専用サービスなど、利用目的に応じて様々な番号が割り当てられています。
この体系は時代と共に進化しており、「090」「080」「070」「050」「020」という主要な番号群に分けられています。
携帯番号の歴史
初期の頃は、日本では、固定電話の番号は地域ごとに市外局番が割り当てられ、全体として10桁の構成をとっています。
しかし、携帯電話の普及に伴い、1999年から携帯電話番号は11桁の体系に移行しました。
これは、10桁の番号では対応できる数に限りがあるため、より多くのユーザーに番号を提供する必要があったからです。
「090」「070」の導入
携帯電話番号は、当初「030」「020」など10桁で構成されていましたが、11桁への再構成とともに「090」が標準化されました。
PHSには「070」が割り当てられ、この区分によって携帯電話とPHSを区別できました。
「080」の追加と「070」の共用
時間の経過とともに「090」だけでは不足するようになり、「080」が追加されました。
また、携帯電話とPHS間での番号ポータビリティが可能になり、「070」も携帯電話として使われるようになりました。
データ通信専用番号「020」とIP電話「050」
「020」番号の導入
データ通信専用のサービスには「020」が割り当てられ、これは主にデータ通信専用SIMカードに使用されます。
この番号は、Machine to Machine(マシーン同士の通信)など特定の用途に限られています。
IP電話の「050」
IP電話には「050」が割り当てられています。
これはインターネット回線を通じて行われる音声通話サービスで、従来の電話システムとは異なるため、区別する意味でこの番号が使われています。
IP電話は、低コストで提供されることが多く、企業や個人での利用も増えています。
これらの番号は、日本における通信サービスの多様化を象徴しています。
番号の先頭3桁によって、その電話番号の用途や特性を見分けることができるようになっており、利用者は着信や通信の目的に応じて適切な対応を取ることが求められます。
まとめ
過去の経緯を経て、現在では「090」「080」「070」の番号が携帯電話・スマートフォンにおいて区別なく使用されるようになりました。
これらの番号はかつては異なる用途に割り当てられていましたが、2016年4月の時点で、どの番号も携帯電話やスマートフォン、さらにはPHSにも共通して割り当てられるようになりました。
かつて「070」番号がPHS専用であったことから、「070」と聞くとPHSを連想する方や、未知の番号に対して迷惑電話ではないかと懸念する方もいるかもしれません。
しかし、これからは「070」で始まる番号を持つ携帯電話やスマートフォンが増えるため、そのような誤解を持たないようにする必要があります。
この変化は、携帯電話番号の利用範囲が拡大していることを示しています。