「覚える」「憶える」「覺える」の意味の違いについて
「おぼえる」と読む際に使われる、「覚える」「憶える」「覺える」という三つの漢字表記があります。
読み方は同じですが、それぞれの意味合いに違いはあるのでしょうか。
ここでは、これらの言葉の意味と使用方法について詳しく見ていきます。
「覚える」の意味
「覚える」には複数の意味があります。
一番一般的な意味は「記憶する」ことです。
これは、見たり聞いたりしたことを心に残すことを指し、「九九を覚える」や「説明をしっかり覚える」のように用いられます。
また、「覚える」には「新しいことを習得する」、「体や心に特定の感覚を持つ」、「あることがそう思える」という意味もあります。
例としては「自転車の乗り方を覚える」、「疲れを覚える」、「その言葉に問題があると覚える」などが挙げられます。
「憶える」の意味
「憶える」の意味は「記憶する」ということです。
これは、見聞きしたことを心に留めて忘れないようにすることを指します。
使用例には「注意点を憶える」「学生時代のことはあまり憶えていない」といったものがあります。
「憶える」に用いられる「憶」という漢字は、「心」に関連する象形と「音」を表す象形から成っており、「未だ言葉にならない思い」を表しています。
ここから「記憶する」という意味が生じました。
「覚える」と比較して、「憶える」は「記憶する」という意味に限定されており、他の意味を含みません。
また、公式文書では「憶」を「おぼえる」と読むことはできません。
「覺える」とは
「覺える」は、「覚える」と同じ意味を持っています。
これには「記憶する」、「新しいことを習得する」、「体や心に特定の感覚を持つ」、「あることがそう思える」という意味が含まれます。
使用例としては、「百人一首を覺える」や「バイクの乗り方を覺える」などがあります。
「覺える」で使われる「覺」という字は、「覚える」の旧字体で、「学ぶ」や「はっきり見える」という意味から「おぼえる」「さとる」という漢字になりました。
現代では「覚える」の表記が一般的で、「覺える」の使用は少なくなっています。