エプソムソルト(硫酸マグネシウム)・マグネシウムフレーク(塩化マグネシウム)の違い

エプソムソルトとマグネシウムフレークは、見た目やパッケージが似ているためしばしば混同されますが、実は化学的に異なる成分を持っています。

エプソムソルトは硫酸マグネシウム（MgSO₄）であり、一方マグネシウムフレークは塩化マグネシウム（MgCl2）で構成されています。

どちらもマグネシウムを含むことは共通していますが、含まれる他の成分が異なるため、それぞれの特性や用途に違いがあります。

エプソムソルトは「ソルト」と名前に含まれていますが、実際には塩分を含まない純度の高い結晶形態をしています。

この記事では、エプソムソルト(硫酸マグネシウム)・マグネシウムフレーク(塩化マグネシウム)の違いを徹底比較するので、用途に応じてどちらがいいのか適切な商品を選択する参考にしてみてください。

エプソムソルト(硫酸マグネシウム)・マグネシウムフレーク(塩化マグネシウム)の徹底比較

違い①マグネシウム含有量はマグネシウムフレーク(塩化マグネシウム)の方が多い

マグネシウム含有量の差が、エプソムソルト(硫酸マグネシウム)とマグネシウムフレーク(塩化マグネシウム)の間で重要な違いの一つです。

同じ量を用いた場合、マグネシウムフレーク(塩化マグネシウム)を含む方がマグネシウムの含有量が高いことが知られており、これにより、より効率的にマグネシウムを体内に取り入れることができるとされています。

マグネシウムは、汗をかくことや疲労、ストレスの際にも消費されるミネラルであり、入浴剤のみならず、アスリートが肌に直接塗布する製品にも使用されています。

例えば、市販のマグネシウムスプレーには、エプソムソルト(硫酸マグネシウム)ではなく、マグネシウムフレーク(塩化マグネシウム)が採用されています。

これは、パフォーマンス向上を目指すアスリートのみならず、足のつりや筋肉のこむら返り予防を求める方々にも好まれています。

違い②肌への刺激はマグネシウムフレーク(塩化マグネシウム)の方が強い

エプソムソルト(硫酸マグネシウム)とマグネシウムフレーク(塩化マグネシウム)の使用におけるもう一つの重要な違いは、肌への影響に関するものです。

特に、マグネシウムフレーク(塩化マグネシウム)はエプソムソルト(硫酸マグネシウム)に比べて肌への刺激が強い傾向にあり、使用後に乾燥やかゆみを感じやすいとされています。

敏感肌の方や、赤ちゃんのようなデリケートな肌を持つ方には、慎重な使用が推奨されます。

例えば、市販のマグネシウムスプレーの中には、使用してから20分経過後に拭き取るか、または入浴前に塗布してから洗い流すよう助言しています。

これは、マグネシウムフレーク(塩化マグネシウム)が持つ特性と、肌への配慮からのアドバイスです。

肌への刺激が心配なら、エプソムソルト(硫酸マグネシウム)の方がいいでしょう。

違い③風呂釜へのタメージがマグネシウムフレーク(塩化マグネシウム)で起きることも

エプソムソルト(硫酸マグネシウム)とマグネシウムフレーク(塩化マグネシウム)の選択におけるもう一つの考慮点は、風呂釜への影響です。

エプソムソルト(硫酸マグネシウム)は風呂釜にダメージを与えることなく、追い焚きも可能です。

一方で、マグネシウムフレーク(塩化マグネシウム)は使用することで風呂釜に損傷を与える可能性がありますが、損傷を避けるタイプの製品も市場には存在します。

特に、マグネシウムフレーク(塩化マグネシウム)が「にがり」として知られている場合、微量の塩化ナトリウム（食塩）が含まれていることがあり、これがさびの原因となり得ます。

そのため、一般的に、追い焚き機能の利用や残り湯を洗濯に使用する場合には推奨されません。

違い④入浴後の保湿ケアが必要なのはエプソムソルト(硫酸マグネシウム)

エプソムソルト(硫酸マグネシウム)とマグネシウムフレーク(塩化マグネシウム)は、マグネシウム含有による肌の修復や美肌への効果において大きな共通点を持っています。

これらの成分を含む温泉では、切り傷、末梢循環障害、冷え症、うつ症状、皮膚の乾燥などに効能があるとされています。

しかし、保湿と保水の面で異なる特性を持っています。

マグネシウムフレーク(塩化マグネシウム)に含まれる塩化物イオンは保湿効果があるとされ、これは肌からの水分蒸発を防ぐ役割を持ちます。

一方、エプソムソルト(硫酸マグネシウム)に含まれる硫酸イオンは保水効果があり、肌に水分を引き込む効果があると言われています。

ただし、硫酸イオンは皮脂を取り除く作用もあるため、乾燥する季節や皮脂が不足していると感じる時には、入浴後の保湿ケアが推奨されます。

保湿ケアが面倒なら、マグネシウムフレーク(塩化マグネシウム)の方がいいでしょう。

まとめ

エプソムソルト(硫酸マグネシウム)がおすすめな方

• 肌への刺激が心配な方
• 風呂釜へのダメージが心配な方

マグネシウムフレーク(塩化マグネシウム)がおすすめな方

• マグネシウムの効果をより期待する方
• コスパ重視の方
• 風呂釜への心配がない方