多くの人が混同しやすい「クルクミン」と「クミン」。
これらは全く異なるスパイスで、それぞれ独特の役割と特徴を持ちます。
この記事では、これらのスパイスの違いを明確にし、それぞれの特徴や使用される料理についても解説します。
また、ターメリックやウコンといった関連するスパイスについても触れます。
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クルクミンとクミンは違うもの
クルクミンとクミンは、名前がそっくりですが、まったく違うものです。
クミンとは、セリ科に属する植物で、特有のエキゾチックな香りを持つスパイスのことを指します。
一方で、クルクミンとは、ショウガ科に分類されるターメリック(和名でウコン)に存在する、黄色の色素を指す成分の名前です。
以下ではそれぞれについて詳しく解説します。
クルクミンとは?
クルクミンとは、上記で触れたように、ショウガ科に分類されるターメリック(和名でウコン)に存在する、黄色の色素を指す成分の名前です。
以下、ターメリック(和名でウコン)について解説していきます。
ターメリック(和名でウコン)/Turmeric は、カレー料理に不可欠な、色付けに使われるスパイスです。
ターメリック(和名でウコン)の特徴
ターメリックは、鮮やかな黄色を付けるスパイスであり、独特の土っぽい香りが特徴です。
所属:ショウガ科
原産地:熱帯アジア
使用する部分:根茎
別称:ウコン、クルクマ
形状: 掘り出した成熟した根茎を洗い、茹でたり蒸したりした後に乾燥させ、粉砕してパウダー状に加工します。市場で流通しているのは、このように加工された乾燥パウダーです。
語源・別名: うこん、秋うこん、インディアンサフラン、ハルディ
ターメリック(和名でウコン)のエピソード
ターメリックに含まれる黄色の色素はクルクミンと呼ばれます。
このクルクミンは油溶性で水には溶けにくい性質を持ちます。
ターメリックやカレー粉でついた黄色いシミは、水洗いや石けんで軽く洗い、日光にさらすことで紫外線によって色素が分解され消えることがあります。
ターメリックの和名:うこんについて
うこんには様々ありますが、ターメリックはなかでも「秋うこん」とも称され、晩夏から秋にかけて白い花を咲かせます。
一方で、「春うこん」や「紫うこん」と呼ばれるものは、ショウガ科ウコン属の異なる植物です。
ターメリック(和名でウコン)の適用される料理
ターメリック(和名でウコン)は、カレー、ターメリックライス、様々な料理の色付けに用いられます。
米、魚、肉、野菜(カリフラワー、じゃがいも、ナスなど)にも使われ、その土っぽい香りは加熱により弱まり、料理に深みを加えます。
黄色の色素成分であるクルクミンは油溶性で、油と合わせるときれいな色付けができます。
また、カレー粉の主要な原料の一つとしても知られています。
クミンとは?
クミン/Cumin を加えることで、料理にエスニックな味わいが生まれます。
カレーを思わせるような、独特のエスニックな香りが特徴のスパイスです。
クミンの特徴
分類:セリ科
原産地:エジプト
使用する部分:種子(植物学的には果実に分類される)
別称:馬芹(うまぜり)
語源・別名: 馬芹(うまぜり)、ジーラ
クミンのエピソード
クミンは、中世ヨーロッパにおいて、恋人の心変わりを防ぐスパイスとして信じられていました。
結婚式では、クミンをポケットに忍ばせる習慣があったとか。
クミンが使用される料理
クミンは、カレー、クスクス、チーズ、チリコンカンなど様々な料理に適しています。
世界中で、肉や野菜の料理、煮込み料理、炒め物、パン、チーズなどに幅広く使われています。
特に、カレー粉やチリパウダーの重要な原料となっており、インド料理では最初に油で香りを引き出すスタータースパイスとしても頻繁に使用されます。
じゃがいもやカリフラワー、根菜の炒め物にもよく合い、炒めたクミンを米に混ぜて炊くと、カレーにぴったりの香り高いクミンライスができあがります。
まとめ
この記事では、「クルクミン」と「クミン」の違いを詳しく解説しました。
クルクミンはターメリックの色素成分で、クミンはセリ科のスパイスです。
ターメリックやウコンの特性と利用法もそれぞれ異なるので、使い分けて楽しんでみてください。